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回想法のリスク
昨日の「老人性痴呆患者のための集団音楽療法の一例」の続きです。これは −歌による回想とその治療効果について− という副題がついています。

論文の最後で、歌を使った回想法のリスクについて述べられています。

 最後に、この治療法が患者に過剰な心理的負荷を与えてしまうリスクに触れておきたい。新福(1997)は、波乱に富んだ生涯を送ったある老婦人が自分史を書くうちに自責・抑うつ・不安になって治療を求めるに至った事例を挙げ、「回想法」が不幸な体験や敗北感などを不用意に取り扱うことの危険性を警鐘している。
 歌による回想においてもこの種の危険性は皆無ではない。特に軍歌のように患者によっては思い出したくない過去に引き戻される思いを強く抱かせる歌の場合、慎重な取り扱いを要する。
 更に歌詞が思い出せないもどかしさから攻撃的になる、感情抑制が効かず歌い始めるとすぐに泣き出してしまう、身体がリズムに無自覚に反応して反射的な動作が繰り返されるなど、実際の治療場面では、患者の治療への参加意欲が高じて結果的にマイナス効果を生んでいるケースが少なくない。
 効果的な治療とそこから派生するリスクとが表裏一体の関係をなし、両者が刻々と揺れ動くのが音楽療法の宿命的な特質である。

南曜子、藤田定:精神療法 第27巻第5号 2001年10月


 このリスクと良い効果とのさじ加減の調節は非常に難しいと思います。やってみないとわからないといった感じでしょうか(それじゃいけないんですけど)。

 例えば、1回セッションで軍歌を用いたら戦争のことを思い出して泣き出したとする。そのことが良いことだったのか悪いことだったのか、対象者本人にさえわからないことがあると思います。これについて画一的な評価方法が果たして作り出せるかどうかは疑問です。非常に難しいことは間違いないと思います。

論文は次のように結ばれています。

この治療法を実際に運用するにあたっては効果とリスクのバランスを評価するシステムの開発が必要であろう

南曜子、藤田定:精神療法 第27巻第5号 2001年10月


うん、確かに。
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