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勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥ 1,680
(2008-06-15)
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「画像」の対極にあるのが「数字」です。数字は、誰が見ても3なら3、4なら4です。
大きな情報をできるだけ減損することなく受け渡す媒体が画像だとしたら、
情報を絞りに絞ってもっともシンプルにしたのが数字です。
つまり、数字で伝えると分かりやすいってことですね。
たとえば、体格を考えてみましょう。
Aさんは太っていて、Bさんは痩せている、ということを説明するのに、ただ、「AさんのほうがBさんより太って見える」と言っても、それは主観ということになってしまう場合もありますが、そこに身長と体重という数字による測量を利用すれば、その比較は急に客観性を持ちます。Aさんは160cm74kgで、Bさんは158cm52kgだとすると、Aさんのほうが太って言うということは見かけだけでなく、数字からも明らかになるからです。
さらにこれをBMIで表すとさらに比較しやすくなります。
BMIとは、体重を身長のメートル表示の二乗で割ったものです。この値が21〜24ぐらいなら標準、25以上になると過体重となり、30を超えると肥満とされます。逆に、18以下になると痩せすぎです。
AさんとBさんのBMIを計算すると、Aさんは28.9、Bさんは20.8となりました。身長と体重をそれぞれに数字に落としたことから、さらに厳密な比較ができるようになったのです
このように、画像の段階では客観的に比較することは難しいものであっても、数字にすれば容易に比較ができます。
数字があるほうがぐっと伝わりやすくなりました。
患者さんや家族に治った事を実感してもらったり、
他スタッフに効果をアピールするときに使えますね
たとえば、少子化が進んでいることについても、人口を保つには2.0をちょっと上回るぐらいの合計特殊出生率(一人の女性が生涯に生む子供の平均数)が必要なのに対し、今や、1.2を切っているという数字を示されると、以下にそれが低い数字であるかが分かります。
団塊の世代のころには1学年200万人以上いたのに、今の小学生は100万人ちょっとしかいない。となると、このままでいくと、毎年毎年、日本の人口は100万人ずつ減っていくことになり、そのうち半減してしまう、ということも実感として共有されると思います
単に感覚的に、今は子供が少ないね、というのではなく、実際に今、1億3000万人弱の日本人が、どの程度の勢いで、どのくらい減少していくかが把握できるわけです。
ちなみに、2050年頃には、このままでいくと日本の人口は軽く1億人を切ることになります。しかも、その時点で65歳以上の高齢者比率は35%を超えるのです。そのとき、数字から見れば年金が破綻していることは火を見るよりも明らかです
数字があるとすごく分かりやすく、将来起こりうることを予想できます。
するとそれに対する対策も立てることができるということです。
あと40年経つころには3人に1人は高齢者となっている。
われわれ医療職のニーズは格段に高まってくるが、
その保険は破綻して医療職を雇えない
ということが予想されます。
数字は、将来予測を行うと、私たちに将来のリスクや可能性を事前に教えてくれるのです。
数字は、理性だけでなく、感性に訴えるのです。
数字とは、感性と理性をつなぐものといったのは、こうした理由からです。具体性を持ち、信頼性を持つがゆえに、逆に私たちの直感に訴えます。だからこそ数字は必要であり、それが数字の担う大きな役割なのです。
しかし、
数字は相手の見かたを簡単にごまかすこともできるのです
たとえば、アンケート調査などで、自分の都合のいいように質問を設定し、相手に誤答させることで、自分たちに有利な結果をパーセントなどの数字で導き出したりするわけです。
数字は間違えて使うとたいへん危険な面もある、ということです。
測定し、管理できる塊になるまで分解することが大事。
なぜなら、私たちは、測定できないものは管理できないからです。
あらま

ROMとか立位保持時間とか、測らないと管理できないんだ!?
そこまで言っちゃう?w
でも、そういう面はあるとは思います。
ただ、この本はビジネスで売り上げを上げるためのノウハウで書かれている傾向があるから、
対象者の能力を測定するということを考えると、この点に関してはズれているのかな。
統計が味方についているビジネスパーソンは、
ついていない人よりも圧倒的に優位である
と断言することができます。
お、すごい。断言した。

天気予報は統計学でできているように、今までは運を天に任せていたようなものが、高い確率で予測できるようになるんですもんね。確かに、そうです。